2015年10月30日

臨床動作法は「ガラパゴス」?

 10月10日から12日まで、日本臨床動作学会に参加するために名古屋に行ってきました。シンポジウムのテーマは、「臨床動作法の基礎と工夫」。私は開業臨床心理士としてどんな工夫をしているのか、なみいる先達の前では恐れ多かったのですが、自分なりの工夫をお話しすることにしていました。フロアで出番を待っている間、私の前に発言された心療内科の医師の発表がインパクトがありました。ネットで検索をかけて英語の論文数をあたると、アレキサンダー・テクニーク、センサリー・アウェアネス、ブレインスポッティング、ローゼンメソッド、EMDR、マインドフルネス、ロルフィング、催眠、ヨーガなど、他のボディワークに比較すると臨床動作法の論文はまさに雀の涙で、これでは「ガラパゴス化」していくし、下手をすると他のボディワークに取り込まれて消滅していくのではないか、と言われました。

 厚生省が医療費の削減に躍起になっているなか、臨床動作法に人件費に見合うだけの診療報酬がつくためには、治療効果のエビデンス(証拠)を示していく必要があります。臨床動作法が世の中に定着して広まって行くには、組織的な研究でしっかりエビデンスを示すこと、英語の論文を大量に出していくことが重要であると。まあこれは、当たり前過ぎるくらいの正論でしょう。

 この発表への成瀬悟策先生のコメントが、また面白かったです。「ガラパゴスとは、またけっこうなお話をいただきました。それで考えていたんですが、いったい遅れているのはどっちなんだろう、と(もちろん「臨床動作法の方が進んでいる」で参加者たちは一致しています)。良いものをこれから世界に発信していくので、最高のものにしたいと考えています」と。

 ガラパゴス諸島で生物が特異な進化をしたのは絶海の孤島ゆえですが、臨床動作法は本来的に絶海の孤島なのだと思います。他の心理療法は言葉を仲立ちにしているので、本を読めば分かった気になる、という現象があります。ところが臨床動作法は、身体の動きと感じを仲立ちにしているので、いくら本を読んだとしても、実際に体験してみないとまるで分からないのです。体験しても分からなくて、何回も体験して見えてくることがあります。私は学会主催の研修会で成瀬先生のお話をそれなりに分かるようになるまで、何年もかかりました。

 「ガラパゴス=絶滅寸前」と思われがちですが、ガラパゴスならではの良さもあるのではないでしょうか。あまり知られていませんが、ガラパゴス諸島ではコーヒーが有機栽培されています。絶海の孤島ゆえ他の産地で問題になる病害や虫害がなく、無農薬でコーヒーが栽培できるというわけです。臨床動作法は「やってみないと分からない」ので、携わっている人たちの研修への熱意があるし、何よりも役に立つことを実践するという価値観が共有されています。どこかの学会のように? 言葉の空中戦ということはありません。もちろん臨床動作法が世界に広まっていくことは、願っています。
posted by nori at 16:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 臨床動作法

2015年10月23日

草紅葉

岩手、秋田、宮城の三県にまたがる栗駒山(岩手での呼称は須川岳)は、紅葉の名所として有名です。今週の日曜日ともなると、山の上はもう紅葉は終わっていました。ふもとの方は赤や黄色に染まっていて、観光に訪れた人たちで須川温泉は大変な賑わいでした。私は秣岳(まぐさだけ)から栗駒山に縦走したのですが、湿原の草紅葉はまだ十分に楽しめました。

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(ガスが晴れると、モチベーションも上がります)

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(栗駒側から見た秣岳の草紅葉)

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(稜線歩きを楽しめる天馬尾根)
posted by nori at 22:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 岩手の絵日記