2019年05月28日

不便なモノ

もう二度と買わないだろうと思っていたフィルム式のカメラを、ついネットオークションで買ってしまいました。それも1950年代にドイツで作られた、ローライコードXという二眼レフです。クラシックカメラだとライカにあこがれはありますが、レンズ交換「できる」のは怖いです。ローライコードは、有名なローライフレックスよりもお値段が手ごろで、動かないで邪魔なばかりの露出計ががついていないのがメリットです。本当はひとまわり小型のベビーローライが欲しかったのですが、フィルムが入手困難で自分で切って作る羽目に陥るのであきらめました。

rolleicord.jpg

二眼レフというのは下のレンズが撮影用で、上のレンズは反射式(レフレックス)のファインダー用ということで、二眼レフなのです。太い(つまりは高い)フィルムで12枚しか撮れないので、バシャバシャ景気良く撮るわけにいきません。上からのぞくファインダーは左右逆に映るので、動いているものを撮るのは無理です。接写は苦手だし、ちょっと暗ければ三脚が必要になるし、セルフタイマーは外づけです。どだい、撮影の手順がすごいです。ファインダーを開けてかまえる、フィルムを巻く、構図を決める、ピントを合わせる、露出を決める、シャッターをチャージする、そしてシャッターを切る。記念写真用、でしょうか。

デジカメやスマホで撮影して、すぐに見れるのは便利です。充電さえ怠らなければ、タダ同然で大量に撮影できます。その代わり、「写ってる!」だけで感動することはありません。思い切り手間ひまをかけて、精巧なローライのメカや、シュナイダー製レンズの描写を味わうのも良いものでしょう。60年前の機械でも、整備さえすれば今でも当時と同じように動くのは、まさにローテクの勝利です。……でもテスト撮影している間に気づいたのは、フィルムの現像まではアナログだとしても、プリントはスキャナーをかけてデジタルでやるに違いないということでした。とことんアナログにこだわるなら、モノクロフィルムを入れて(今やモノクロの方が高価です!)、自分で現像、引き伸ばしをするしかありません。学生の頃にさんざんやっていたので、今でもやろうと思えばできるのですが、暗室も機材も時間もありません。レンズで焼いてくれるラボって、まだあるのでしょうか?

「蓄音機でSP盤を聴かせてくれるおじいさん」になったような、気分です。


posted by nori at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | よしなしごと