
クイーンのギタリスト、ブライアン・メイ氏も75歳。天体物理学の博士号をもっていて著書もあり、自然保護の熱心な活動家でもあります。私はクイーンが活動していたときはレコードやCDを買うことはなかったのですが、ラジオで聴くことはよくありました。そう言えばフレディ・マーキュリーの映画も、観ましたね。お父さんと自宅の暖炉を加工してギターを作ったとか、たしかピックにはコインを使っているとか、ユニークな人です。サウンドも独特で、細い弦を張って派手なチョーキングをしたり、エフェクターを内臓したようなギターの多重録音をしてシンセサイザーのような音を出してみたり、ギター訓練に明け暮れて速弾きに命をかけるようなタイプとはちょっと違います。
彼がNHKのインタビューを受けていたときの発言には、大いに共感するところがありました。
「インターネットやSNSのために、いまは人が人に厳しくなっている。喜びや愛を分かち合えないのは悲しいことだ。チャットGPTは恐ろしいい。私たちにできるただ一つの対抗は、集って交流することだ」といったことを話していました。まったくその通りだよね、うん、うん……と思うのですが、彼も私も「老人」のポジションになってしまったような感じがして、ちょっと残念な気もしてきました。「まったく、嫌な世の中になったもんだ……」とグチをこぼしているようにも聴こえます。いやいや、彼も素敵な年の重ね方をしている人ですね。見習いたいものです。