
これは中学生のときに、お年玉で買ったLPレコードでした。2枚組で、たしか3,600円だったような気がします。昔のレコードは高かったので、めったに買えなかったことを憶えています。そのためくり返し、くり返して何度も聴いていました。いまは一枚のCDに収まって、値段もぐっとお安くなっています。私は車の中でも聴きたくなって、買いました。
このアルバムからシングルカットされたのは「土曜の夜はぼくの生きがい」、標題になっている「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード」、エルトンは嫌いだったけどヒットした「ベニーとジェッツ」でした。そしてダイアナ妃が亡くなったときに、もともとマリリン・モンローに捧げた曲をダイアナ妃に変えて歌った「キャンドル・イン・ザ・ウィンド」が一番知られることになりました。
私たちの年代はビートルズが解散していたし、フォークブームが全盛でした。中学生で洋楽を聴いていた人は、クラスに何人もいなかったと思います。エルトン・ジョンをリアルタイムで聴くことができたのは、幸せなことでした。彼はポップシンガーに見られることが多いのですが、クラシックの教育を受けていたり、黒人音楽が大好きだったり、あるいはキング・クリムゾンのオーディションを受けて落っこちたりと、幅広い音楽性をもっている人です。バーニー・トーピンの歌詞も、さまざまな世界を見せてくれます。またこの時期は腕っこきのミュージシャンたちが集まって、音作りもバンドのようなまとまりがありました。