覚醒剤で芸能人が逮捕されたり、脱法ハーブで自動車事故が起きたりで、この手の話題が絶えません。脱法ハーブを売っている店では、なんと「絶対に吸引しないで下さい」と表示してあるところもあって、それで取り締まりを逃れている例もあるとか。何がまぶされているのか、何が混じっているのか得体の知れない、もっとも危険な薬物だという話もあります。
「脱法ハーブ」という言葉には、「捕まらないんだったら、イイことをした方が得」みたいな雰囲気が感じられます。ちっともイイことではないのに、そう思いこんでしまっている人がいかに多いことか。初めは気持イイのかもしれません(……やったことないけど)。でも恐ろしいのは耐性がついてどんどん効かなくなり、ドラッグが入った状態で脳が正常に働くようになってしまうので、切れてくるとひどい離脱症状が出るようになります。プラスマイナスゼロの状態からハイになっていたのが、今度は切れてくると最低最悪のマイナスになって、ヤクをやるとゼロに戻るのくり返しになります。
この離脱症状はアルコール依存症でも起こるのですが、時には振戦せん妄(しんせんせんもう)と呼ばれる状態になることもあります。私は精神病院で働いていたので、何度も見ました。アルコールが切れてくると、ブツブツ言いながら身体を震わせて、叫び声を上げることもあります。壁一杯にムシがはっているから、取ってくれと訴える人もいました。これは小動物幻視と言うもので、もちろんムシなどいないのです。ジョン・レノンが「コールド・ターキー」という曲を発表しているそうですが、麻薬を断つために離脱症状に耐えることをコールド・ターキー(冷たい七面鳥)と言います。アルコールの比ではないでしょうから、よほどひどい状態になるのだと思います。
私はジャズが好きなのですが、ヘロインやコカインで散々な目に遭って人生を棒に振ったり早死にしたミュージシャンは数知れません。ビバップの創始者で偉大なアルトサックス奏者だったチャーリー・パーカーはドラッグでも有名で、友人から借りたサックスを質に入れてまでヤクを打っていました。でも自分の真似をして?ヤクに手を出すミュージシャンを見つけると、烈火の如く怒ったそうです。パーカーはどんなに恐ろしいものか身をもって知っていたので、仲間が同じ憂き目に遭うことを避けたかったのでしょう。そのパーカーも30代で亡くなりました。
私は中学生いや小学生のうちから麻薬、覚醒剤、アルコール、その他の薬物の恐ろしさ、くだらなさをもっと教育することが必要だと考えています。一人の人間がきちんと働いて納税者になるのか、依存症になって働かないかで、社会の大きな損失にもなるのです。
2014年07月21日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/101878488
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
http://blog.sakura.ne.jp/tb/101878488
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック