これまで政治に関わるような主義、主張は書いてきませんでしたが、安倍晋三首相が強引に進めている安保法案について、みなさんどう思われますか?
私は昭和34年(1959年)生まれなので、もちろん戦争の体験はありません。終戦後の食糧難も経験がありません。でも戦争の傷跡が、そこかしこに残っていました。たとえば、「傷痍軍人」という人たちがいました。街中で包帯をグルグル巻きにして、軍歌をアコーディオンなどで演奏している、おもらいさんでした。たとえどんな重傷を負ったにしても、十年以上も経って包帯グルグルなんてことはあり得ないのは、子ども心にも分かりました。「戦争」を持ち出せばどんな理屈でも通ると考えていそうな、彼らの存在は不気味でした。
私の実家の方では、終戦後にシベリアに抑留された人たちが多くいました。極寒の地で食料もろくに与えられず、強制労働に従事させられた人たちで、バタバタと仲間たちが死んで行ったそうです。それを悲しみながらではなく、得意げに語る人もいました。高校の数学教師は戦時中は飛行機乗りで、いわゆる特攻くずれでした。妙に人柄が屈折していて、戦争の体験が暗い影を落としているとしか思えませんでした。私たちは戦争が人を狂わせることを、肌で感じていた最後の世代かもしれません。
ご存知の通り、日本国憲法は紛争解決の手段としての武力行使を、全面的に禁止しています。それは愚かしい戦争のために、多くの犠牲を払った日本人だからこそ、肯定できる考え方なのかもしれません。戦争(武力)とは平和の対極なので、「平和のための戦争(武力)」は、あり得ないのです。それを憲法解釈でねじ曲げようとする安倍首相には、違和感を感じずにはいられません。
国立大学の再編の動きの中で、文系学科の縮小が打ち出されてきました。「役に立たない」からだとか。理系学科を充実させて、兵器や軍事産業に関わるような開発をさせるつもりでしょうか。アメリカではスリーマイル島の事故以来、原子力発電所の新設はないのだそうです。日本でもこれから原発を新しく作るのは、相当に難しいことだと思います(作った方が良いと言っているのではありません)。行き詰まった原発産業を、軍事産業に鞍替えさせるつもりでしょうか。考えすぎでしょうか?
2015年07月31日
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