中学校に行ったら机上に、生徒会の選挙結果のプリントがありました。そう言えば朝に校庭でタスキをかけて、「よろしくお願いします」と声を張り上げていた生徒たちがいました。でも生徒会長、副会長、書記……とほとんどは対立候補がなくて、信任票でした。これだけのことに選挙委員会を組織して、立ち会い演説会をして、投票、集計……と、費やす労力たるやそうとうなものです。そもそもだれが立候補するかも、けっこう先生方の意向が働いていたりするようです。どう見ても無理そうな子が立候補したら、対立候補を擁立するとか……。子どもたちも「頭の良い人がなるもの」と決めてかかっています。
そもそも生徒会の執行部といっても何の決定権もなくて、先生の決めた枠の中で動くだけです。「私が生徒会長になったら、制服を廃止します!」などと言うことはあり得ない。役人や経済界の決めた枠の中で動く政治家を、「よろしくお願いします」を連呼する選挙で選ぶ、大人社会のくだらない?選挙を学習させるようなものではないでしょうか。そんなことに時間を費やすなら、キャンプでもして生活体験をつんだ方が良いのではないかと思ってしまいます。
プリントをながめながら、「こんなこと、止めれば良いのにねえ……」とつぶやいたら、となりにいた保健室の先生が興味を示しました。
「止めて、どうするんですか?」
「選挙で選ぶんじゃなくて、校内の色々な活動を、この指とまれのボランティア方式にすれば良いと思うんですけどね。これからの世の中は、上の人が何かしてくれるのを待っているんじゃなくて、自分たちで動くのが大事だと思うし……」
「へえ……私たちは学校の中にいると、やるのが当り前になってしまっていて、そんなことは思いつかないですね。外から見る人の意見は、貴重ですね……」
気を遣って感心したふりをしてくださったのかも、しれませんが……。
2015年11月21日
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