原題は The accountant (会計士)です。主人公は数を扱うことにかけては天才で、ヤバい金の資金洗浄など、裏社会の会計処理を引き受けています。それでも消されずに生きているのは、ゴルゴ13なみの戦闘能力を身に着けているからです。まさに鬼に金棒ですが、泣きどころもあります。人への関わり方がわからない、何かに取りかかると中断ができない、身体の実在感をもてない、衝動のコントロールができない、行動が型にはまっている、不器用な言葉づかいなど、など。彼は困っている(らしい)ので障害と言えば障害なのですが、それを凌駕する能力で世の中を渡っているわけです。誇張されているきらいはありますが、自閉症スペクトラムの特徴をよくとらえていて感心しました。
その一方で暴力が問題解決の手段として野放しになっているのが、いかにもハリウッド映画で残念なところです。子どものころ、テレビで西部劇を見ていた父親が「ほら、すぐピストルで殺すだろ。アメリカ人は野蛮だ!」といささかムキになっていたのを思い出します。日本の映画でもチャンバラや撃ち合いはあるし、たかが娯楽にムキにならなくても良いのですが、ここまで派手にやられるとちょっとなあという感じです。「目的が正しければ、手段は選ばない」がこれまで繰り返されてきた戦争の論理で、広島・長崎の原爆も、北朝鮮のミサイルも、イスラム国のテロ攻撃も同じことでしょう。「間違った手段がとられるときは、目的も間違っている」のですよ。わかっていますか? トランプさんに、プーチンさんに、アベさんも……。
2017年06月28日
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