2017年12月29日

仕事納め

今年は今日、12月29日(金)で仕事納めとなりました。ここは複数の人が働いている事業所と違って、私ひとりでやっています。職場の全員で大掃除をして、納会のようなことをするなんてことはありません。それでも照明やブラインドなどの掃除をしたり、ワックスをかけて、スーパーで買った小さな鏡餅を置きました。吹けば飛ぶような零細レベルとは言え、「これでも事業所を営んでいるんだ」みたいな自覚がわいてきました。

子どもの頃の話ですが、私の祖父母は麹や味噌を作る「麹屋」を細々と営んでいました。祖父母はもともと、小学校の先生をしていました。退職してから、曽祖父がやっていた麹屋を継いだらしいのです。夜中に起こされて室(むろ)の麹のトレイを入れ替えて温度調節をしたり、煮て柔らかくなった豆をミンチにする手回しの機械をグルグル回したり、そんな手伝いをしたことを憶えています。麹を作るときは納豆を食べてはいけないとか、お客が米を一升持ってきたらできた麹を一升渡せばいい(増えた分が麹屋の取り分になります)とか、教わった憶えもあります。もしや祖父は私に麹屋を継がせたくて、手伝いをさせたり教えたりしたんでしょうか? そんな雰囲気はみじんも感じなかったので、そうではなかったと思います。

祖父は手広く商売をやろうなんて気はさらさらなく、昔からおつきあいをしていたお客様から喜んでもらえるならそれで良いと言う感覚だったのではないかと想像します。なので規模は小さくても誠実な仕事を続けて、お客様からは信頼されていたようです。年で廃業してから何年経っても「青山麹屋さんですか?」という電話がかかってきて、難儀をしていました。考えてみれば私のカウンセリングルームも製造直売のようなもので、職人でもあり商人でもある、祖父が営んでいた麹屋のようなものかもしれません。

今年もお客様たちから支えていただいて、ここまでやってきました。ありがとうございました。
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