毎年のことですが、臨床心理学を志す大学院生の実習を引き受けています。実習と言ってもこちらが出向く形で、面接のデモンストレーションをしたり、お話ををしたりです。「開業心理臨床」の立場でお話をするので、相談室を作ったいきさつから始まって、どのようにクライエントに会っているのかなど、限りある時間の中で臨床の現場を想像できるように話しています。パワーポイントは視覚の刺激にとどまってしまうというか、言葉の力が減る感じがするので、使いません(←面倒くさいだけ?)。学生も少ないので、講義と言うよりは対談のようになります。
その中でトシヨリの話なんかしてもなあ……とも思いつつ、自分がどのようにしてこの道に入ったか、そして歩んで来たかも伝えるようにしています。ちょっと個人的なことに立ち入り過ぎるきらいもあるのですが、セラピストになるということは、生き方を選ぶことになるので、その参考になればと思っています。もちろん臨床心理学を学んでもセラピストにならない人もいるでしょうし、それはそれで良いのです。
今年もあとわずかで、終わりです。年末になると、どんな一年だったかを思い起こします。今年は発達障害のある方の、家族の方からの相談が増えたように思います。でも大人のうつやパニック障害、青年期の方の自立にかかわる問題などは相変わらず多いです。精神科医は精神医学の診断に基づいて、薬物療法で症状をコントロールしてくれます。かたや心理療法のセラピストとして、どうアプローチするのか? 自己の存在感や効力感、あるいは「生きる意味」を感じにくくなった人に、主体的な生き方ができるようにお手伝いしていくのが、私たちの仕事なのかもしれません。
セラピストは、一人ではセラピストにはなれません。クライエントが来てくださって、面接室があって、連携をもってくださる方々がいて、心理療法をすることができます。今年も大勢の方々から、お世話になりました。ありがとうございました。なお明年は1月5日(土)から開室いたします。1月19日(土)はお休みをいただいて、20日(日)は開室いたします。
2018年12月28日
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