2019年03月07日

パット・メセニー

Pat Metheny(1954〜)は、言ってみればスーパー・ギター・ヒーローです。テクニックが凄い人は他にもいろいろいますが、やりたい放題やっても商業的にも成功している人はなかなかいません。フォービートのジャズからさわやか系フュージョン、フリー・インプロビゼーション、映画音楽、ローテクな機械じかけの「オーケストリオン」との共演、はなはなだしいのは全編ディストーションギターソロだけのアルバムを作ってみたりと、まず類を見ないフィールドの広さを誇っています。

「人に恵まれる」のも、才能のうちかもしれません。10代の若造だったパットから「あなたの曲はすべて弾けますから雇ってください」と売り込まれたゲイリー・バートン(vib)は、すでにギタリストがいたので12弦ギターを弾かせました。大学の仲間にはジャコ・パストリアス(b)がいて、デビュー・アルバムにつきあってもらっています。師匠のジム・ホール(g)、チャーリー・ヘイデン(b)、ロイ・ヘインズ(ds)、そしてアイドルのオーネット・コールマン(as)など、旧世代の名人と共演する一方で、盟友ライル・メイズ(key)と自己のグループをもっています。

pat1.png

若いころはこんな感じでしたが、

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いまはこんな感じ。お肉たっぷりでメタボ気味なのは残念ですが、それにしても自前の毛なんでしょうか、ヅラをかぶったバッハを連想させるほど、フサフサですね。

ジャズ・ギタリストとしてはフルアコのナチュラルな音色を生かしているのと、左手のハンマリングを多用すること、半音進行でウネウネとアウトするフレーズが特徴でしょうか。でも私はジャカジャカとアコースティック・ギターをうれしそうにかき鳴らす、ジャズっぽくないパットが好きだったりします。「ジャズプレイヤーである前に、ギタリストである」とでも言えば良いのでしょうか。はた目からは輝かしいキャリアですが、「僕はただギターを弾いていたかっただけなんだよね」とサラっと言っちゃうような人です。もちろんストレート・アヘッドなジャズも良いアルバムが沢山あるのですが、いちばん好きなアルバムはライル・メイズと二人で作った「As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls」(1980 ECM)かもしれません。

wichita.jpg

P.S. As Falls Wichita, So Falls Wichita Fallsには3年前に亡くなったビリンバウの名手、ナナ・ヴァスコンセロス(per)も参加していました。ワン・アンド・オンリーの音楽家でした。
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