動画サイトを見ていたら、「不動産Gメン」なる人が、ワンルームマンションに投資をさせるなど、詐欺まがいの行為にひっかかった人の相談に応じている様子が流れていました。いったん再生すると、次から次へと相談事例が再生されて、つい見てしまいます。きちんと物件の価値を調べたり電卓をたたいてみれば、全く割に合わないスキームなのに、知的に優秀な人たちがコロリと騙されているのには驚きました。
私もそうですが、不動産の取引や投資、銀行の融資の仕組みをよく知っている人は、あまりいません。そこにつけこんで「老後の資金を確保しませんか?」とか、「節税対策になりますよ」とか、親切を装って登場する詐欺師もいるようです。古典的な「儲け話」は見破られると思うのか、「損をしている」との不満があったり、「将来的に困るのではないか」と不安な人への好意を装うのも手口のようです。
明かな違法行為だけではなく、法律の網の目をかいくぐってお金を巻き上げる手口がいくらでもあって、そこには銀行もからんでいたりするようです。また最近は弁護士が増えすぎたこともあるのか、ネットで顧客を集めて着手金を集める詐欺行為に手を染める弁護士も問題になっています。もういったい、誰を信じて良いのやらという感じです。ただでさえ怪しげな電話はいくらでもかかってくるし、「知らない人からの電話は詐欺だと思え」と、子どもたちに教えなくてはいけない時代になりました。
人をだまして不幸にすれば、恨みを買うことになります。またいつ仕返しをされるか、逮捕されるか、天罰が下るかと怯えなくてはなりません。いちどその道に入ってしまうと、もうどうにでもなれと転がり落ちていく人も多いのでしょう。昔の親は「悪いことをしたらいけない」ことを、子どもによく教えていたような気がするのですが、それは単に私のノスタルジーでしょうか。「勝ち組」と「負け組」に世の中を分けてしまい、人を出し抜いて美味しい思いをしようという気風が蔓延してきたような気がします。でも人を出し抜いて「美味しい」思いをすることはなくて、不安しか生まれません。
落語には泥棒はよく出てきますが、詐欺師は出てこないような気がします。「おかめ団子」の主人公である青年は、親孝行をするあために、団子屋の売り上げを盗もうとします。来る日も来る日も大根を売り歩いても、母親を布団に寝かせてあげることができないのに、団子屋の売り上げはびっくりするくらいありました。団子屋の主人は、「盗んだお金で親孝行をして、それでお母っさんが幸せになれるかねえ」と諭します。子どもたちにはそんな道徳の教育も必要だと思うし、投資や金融、不動産取引などについても、学校で教えていかなくてはと思いました。本当に役に立つ勉強をすれば、「勉強をして何になるの?」の疑念も減っていくと思います。
2025年05月22日
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コメント、ありがとうございます。背筋が寒くなるような事件もあるし、テレビのニュースを見ているのも、ストレスを感じることがあります。そうかと言って世間のことをまるで知らないわけにもいかないので、見てしまいますが。
ときには動物のように自然の中を歩いたり、外でおにぎりを食べたり、そんなこともストレス解消になるような気がします。「人と話す」ことも、大事ですね。お金は求めるとキリがないですが、心豊かな暮らしはその気になればどこでも手に入れられるものかなと思います。