2009年03月17日

性格は変えられない?

 心理療法を受けにきて、「でも、性格は変えられませんよね」とおっしゃる方がいます。これは心理療法について、あるいは心理学における性格の定義について、根源的な問いのひとつであると言えるでしょう。それに対してセラピストは、どう答えるのでしょうか。
 「そんなことはありませんよ、変えることができます」とか、「性格はどうかわかりませんが、行動は変えることができます」と説明するセラピストはいるかもしれません。「どうせ変わらない」では、心理療法は成立しないので、セラピストにとっては困ることになります。そもそも心理療法の理論が、「人の行動は変えることができる」ことを前提にしているのです。
 でもクライエント(来談者)は、そのような説明を求めているのでしょうか。かりに「あなたと同じような人に100人ほど会いましたが、成功率は87%です。まず大丈夫ですよ」などと言われても、「自分がその87%の中に入るのかどうか、わからない」と考える人もいるでしょう。あるいは「この治療者にかかっていれば、自動的に良くなる」と考えて努力をしなくなれば、良くなるものも良くなりません。(続く)
posted by nori at 10:53| Comment(1) | TrackBack(0) | 心理療法
この記事へのコメント
メールありがとうございます。こちらのほうでもリンクを貼っておきました。今後ともよろしくお願いします。
Posted by ピュアリー at 2009年03月17日 22:43
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