2009年04月08日

臨床心理士が労働組合を結成

 臨床心理士が、労働組合を結成したそうです。

 発展途上臨床さいころじすとの航跡

 この件に関しては 裕's Object Relational World


 臨床心理士は未だ理念であって、職業として確立していないのだと思います。そもそも資格の策定に当たって生計が経つような職業モデルとして考えられていません。それは大学の教員という他に主たる収入源が安定している人々が、現実的な収入などに関して甘い見込みの元に量産した資格なので残念ながらこれが現状です。それによって臨床心理士養成は職業として安定したわけでが・・・。

 に同感です。朝日新聞への「ワーキング・プア」投書も話題になったばかりですが、現場の臨床心理士たちが身分や収入の不安定さに対して、声を上げ始めています。

 こうした動きに対しての臨床心理士たちの反応の温度差は、「それを覚悟で、この世界に足を踏み入れたのかどうか」によっているのでしょう。ある年代以上(40代?)の人たちは、まず覚悟をもってこの世界に入っています。「そんなこと、分かりきったことなのに、何を今さら……」って感じかもしれません。またそうした年代の人たちが、大学で教職についています。

 でも今の指定大学院を出た人たちは、そこそこの社会的ステイタスを伴った「職業モデル」を思い描き、自分への投資をして大学院に進んでいるようです。私の目にはそう映ります。「絵描きやミュージシャンになるのと同じようなもんだから、ダメだったらやめりゃあいいじゃん」というわけには、いかないのでしょう。もちろん幻想をふくらませた側にも責任はあるし、認定協会は臨床心理士の需給見通しと指定大学院の定員数について説明責任を果たすべきです。

 私自身も若い頃は民間病院の常勤職で妻子を養っていましたが、実家に居候していたようなもので、さすがのお上も給料から所得税を引きませんでした。これからも経済的な不安とは、お友だちでしょう。こういうことを書き出すとキリがないので、ここらへんでやめておきます。

 この記事を読んでいらっしゃる、臨床心理士ではない方々にお願いがあります。職業としての臨床心理学は、まだ始まったばかりです。育ち方によっては、心身の健康や社会の活性化に寄与する職業であると信じています。長い目で暖かく見守っていただければ、嬉しいです。
posted by nori at 11:02| Comment(0) | TrackBack(1) | 臨床心理士
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Tracked: 2009-04-08 19:21