精神科の病院を辞めてから、干支が一回りしました。いま咲き誇っている桜を見ると、その病院のデイケアでお花見に行ったことを思い出します。私の中では「お花見」と言えば、「デイケアのお花見」と言うくらいに、印象に残っているんでしょうか。
病院の周りは見渡す限りの田んぼで、つまりは相当な田舎にありました。栄養士さんにお願いして、おにぎり弁当を作ってもらって、20分くらい歩くと、めったに人の来ない公園がありました。桜の木が何本もあって、お花見にはもってこいなのでした。桜の下にシートを広げても、当然のことながら酒を飲むわけでもなく、大人しくお弁当を食べてお茶を飲んで、あとは日向ぼっこです。
他にすることもないので、本当に花をよく見ていました。下から見上げた、太陽のまぶしさ。舞い落ちる花びら。芽吹いたばかりの若葉。今にして思えば、ぜいたくな時間でした。そう言えば、病院のマイクロバスで日帰り温泉に行ったりもしました。温泉に行けば一緒にお湯につかったりもするわけで、そんなことが臨床心理士の仕事と言えるのか……と思う方もいらっしゃるでしょう。
一緒に歳をとっていくことも、臨床のうちなのです。
2009年04月21日
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