いつだったか、床屋さんで聞いた話です。地域に理容師と美容師の学校があるのですが、理容師志望の人はとても少ないのだそうです。さらにその理容師のコースを卒業しても、仕事を続ける人がなかなかいないとのこと。学校で勉強をしている間はまだ良いのですが、実際に現場に出るようになると、「これは自分の仕事じゃない」と感じて辞めていくらしいです。
ちょっと昔は、なんて言うと急に爺様になった気分ですが、従業員が何人かいる床屋さんには、見習いの若い人たちがいたものです。現場で掃除や洗濯などの下積みをしながら、学校に通って理容師の免状を取って、さらに修行をするという養成システムではないかと思います。ところがいまの理容学校の学生諸君は、働きながらではないらしい。授業料を納めたお客様の身分で親切に教えてもらい、知識は身につけているけど、でも身体はさっぱり動かないから現場に出て怒られるとショックを受ける、なんてことが起きているのではないかと思います。
職人を育てるのに、学校で知識と技術を教える仕組みが本当に優れているのかどうか、考えてみる必要もありそうです。昔は昔で、おそらくはいじめや暴力などもあったと思うので、徒弟制度を手放しで賛美するわけにもいかないでしょう。でも現場に身を置くことで、床屋とはどんな仕事なのかを肌身で感じて、仕事の流れを身体でおぼえる機会はあったと思うのです。そこをどう補うのか……などと考えていたら、話は他人ごとではありません、私たちの業界でも同じような問題を抱えていたのでした。
2009年05月25日
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/29374457
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
http://blog.sakura.ne.jp/tb/29374457
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
失礼ながら、相互リンクしていただきたくて、コメントさせていただきました。
http://sirube-note.com/barber/
もしよろしければ、こちらのページから相互リンク登録していただけましたら幸いです。
http://sirube-note.com/barber/link/register/
今後ともよろしくお願い致します。
VTlDt64Z