中学校で英語の指導助手をしているアメリカ人の青年と、話した時のことです。私がスクールカウンセラーをしていると言うと、彼はとても大切な仕事だと言ってくれました。でも「悩みごとは友だちよりも、カウンセラーに話した方が良いもんね」とすんなり言った時には、ちょっとした違和感を感じました。でもそれをどう伝えたらよいものかと思い、話はそこで終わってしまいました。
彼の考えはおそらく、こんな感じではないかと思います。――友だちであっても気持よく話を聴いてくれるとは限らないし、よい解決法を知らないかもしれない。たとえ相手が力になってくれようとしても、解決できなかったらお互いに気まずい思いをするかもしれない。カウンセラーに話を聴いてもらった方が解決の近道だし、友情を壊す心配もない。こうとらえると、いかにもアメリカ人らしい、実用的で割り切った考え方です。もちろん彼ひとりをして、アメリカ人を代表させるわけにもいかないのですが……。
でも私は日本人で、それも少し古い型に属しているので、「悩みごとを話せてこそ友だちだし、そういう話をすることで友情が深まっていくものだ」と考えているところがあります。友だちが悩んでいるのに話してくれないとしたら、友だちがいがないと言うか、水臭いと思ってしまうのです。
友だちには友だちの、カウンセラーにはカウンセラーの良さがあります。友だちに悩みを打ち明けたり、カウンセラーに話を聴いてもらったりと、両方を体験してみないとそれぞれの良さが分からないかもしれませんね。
2009年07月01日
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