2009年07月08日

不登校とは

 いまはどこの学校に行っても、「不登校」と呼ばれる子どもが何人かいます。不登校とは読んで字のごとく、学校に行かないことですが、その昔は「登校拒否」と呼ばれていました。さらにその前は、「学校恐怖症」です。

 時系列に順を追って、考えてみましょう。学校恐怖症は、「対人恐怖症」や「広場恐怖症」などと同じ言葉の使い方で、つまりは神経症と言う病気としてとらえています。貧困でも身体の病気でもなく、学校に行ける状態であるのに行かないのは、「学校が怖い」病気があるのに違いない、と言うことです。病気ですから、対処としては治療と言うことになります。薬物療法や心理療法はもとより、極端な例になると精神病院に入院させられることもありました。

 「登校拒否」は、学校に行くことを自分から拒絶する、主体的な行動としてとらえています。また学校恐怖症は病気、つまり個人内の現象であるのに対して、登校拒否は個人と学校との関係に由来する社会的な現象です。受験競争やいじめなど、色々な問題がある学校には、行きたくない子や行けない子がいても当然ではないか、と言う見方も出てきます。対処としては学校を変えようとか、学校に行かない生き方を支援しようと言う動きが出てきました。

 さて「不登校」です。これは「登校しない」を指しているだけで、それ以上の意味は含まれていません。登校しないのは病気によるのか、そうでないのか。登校したいのにできないのか、登校したくないのか。「学校恐怖症」や「登校拒否」に含まれていた意味はなくなっています。学校に来ない子には色々なタイプがあって一律に理解することが難しいこと、「学校恐怖症」や「登校拒否」での対処では解決できなかったことが想像されます。

 文部科学省の公式的な定義では、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるため、年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」を、「不登校児童生徒」と呼んでいます。
posted by nori at 22:17| Comment(0) | TrackBack(2) | 不登校
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