会社を経営している方の、カウンセリングをすることがあります。これは個人でやっている相談室ならではで、病院で働いていたら得られない経験です。つまりは病気の回復のためではなくて、「経営者として悩んでいるから、話を聴いて欲しい」と言うことなのです。
事業の展開や人事についてなどのお話を聴くのですが、私は経営コンサルタントではありませんから助言はできません。業界や組織のことを勉強させてもらっているようなもので、「こんな風に話を聴くことしかできませんが、良いのですか?」と訊ねたこともあるのですが、「ここでしか、こんな話はできません」などと言われるので、まあ良いかと思ってお金をいただきます。
経営者は孤独だと思います。そもそも人の上に立つのは、大変なことです。事業がうまく行く時ばかりではないし、悪い時にはたたかれます。同業者に相談できることもあるでしょうが、できないこともあります。部下にいちいち相談するわけにも、いかないでしょう。秘密を守ってくれて、自分の利益を第一に考えてくれる人として、カウンセラーが選ばれるのかもしれません。もっともカウンセラーとしての私は、より多面的に現実を見ることができるように援助しているつもりです。
業界の親睦団体とか、ライオンズクラブとか、ゴルフの仲間とかクラブの常連とか、私たち下々にはよく分からない集まりであっても、経営者の孤独を癒す意味があるのかもしれません。会社の経営に関わっている人は、「孤独な仕事」についていることを認識して、どのような形でバランスを取るのかを考える必要があると思います。そうでないとイエスマンの取り巻きを作ったり、ワンマンで孤立していったりと、あんまり良くないことになりそうです。
2009年08月16日
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