2010年09月23日

マジ見てる……

 とある高校に、スクールカウンセラーに行った時のこと。保育実習を引率する先生が、おっしゃっていました。保育園で子どもたちとご対面した女子高生たちが、

 「ね、こっち見てる!」

 「マジ見てる……」

と、宇宙人を見たかのようにヒソヒソやるのだそうです。いざ関わるとなって、子どもが泣き出したりするともう大変。高校生の方が、逃げ出してしまうこともあるそうです。

 これは少子化できょうだいが少なくなって、子どもの面倒をみたりしなくなったのが、影響しているのでしょうか。そうかもしれません。彼らの親世代も一人っ子が珍しくないので、一人っ子どうしが結婚すると、いとこもいないことになります。でもその先生によると、沿岸の高校生はまだ良いのだそうです。彼らは朝の4時に起きてワカメの作業をしたりするので、人と関わるのに慣れているらしいのですね。

 ところで岩手県民の間では、沿岸の人は元気が良くて内陸の人はおとなしい、というのがほぼ定説になっているようです。漁業となると、「板子一枚下は地獄」の世界です。「みんなで仲良くやる」ことよりも、「正しい意見を選ぶ」ことを優先しないと、命を落とすことになりかねません。だから言いたいことは言うし、立場や関係にしばられずに正しい判断を選ぶ風土になるのでしょう。かたや内陸は農耕が中心なので協調性や秩序が尊ばれるし、時には「沈黙は金」にもなるのでしょう。

 彼女たちの「マジ見てる……」が少子化のせいなのか、人と関わる経験が少ないせいなのか、内陸のせいなのか、どうなんでしょう。
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