2010年10月15日

まだ見ぬ WAIS-V

 心理学者のDavid Wechsler(1896〜1981)は、ルーマニアに生まれて子どもの頃にアメリカに移民したそうです。彼が作った知能検査はウェクスラー式と呼ばれており、もっとも信頼性が高いとされて広く使われています。大人向けがWAIS(Wechsler Adult Intelligence Scale ウェイスと読みます)、子ども向けがWISC(Wechsler Intelligence Scale for Children ウィスクと読みます)で、日本ではともに第3版まで出版されています。

 知能検査と聞くと、「学校で記入式のものを受けたよ」と言う方が多いと思います。まああれも知能検査のうちに入るのでしょうが、臨床の現場では使われていません。ウェクスラー式の知能検査は、マンツーマンで行ないます。言葉で問題を出して答えさせる言語性の課題と、視覚から判断して解決する動作性の課題が、それぞれ何種類もあります。よくIQがいくつだとか言われますが、ウェクスラー式はトータルのIQだけではなく、課題ごとの得意、不得意の差を見ることで知能の構造を分析的に見ることができます。

 発達障碍を診断する時の有力な資料になったり、その子に合った指導法が見えてくることも多いので、WISCの方は教育の世界でもよく知られています。中学校では特別支援教育に関わっていない先生でも、普通に「ウィスクサード」(WISC-V)と言っています。

 さて大人向けのWAISなのですが、私は先代のWAIS-Rまでしか施行したことがありません。今や時代はWAIS-Vで、動作性の課題が追加されているようです。2008年には英語版のWAIS-Wが出版されたそうで、日本では標準化されて出版にこぎつけるまでにはあと何年かかかるでしょう。私は自分ではもう知能検査をする機会も必要もないと思うのですが、それでもクライエントを紹介された時にレポートがついてきたりすると、どのような検査になっているのか知っておいた方が良いだろうと思うのです。でもそのためにWAIS-Vを買うことはできません。WAIS-Rでも立派なアタッシュケースに入って、10何万はしていました(夏場はそのアタッシュケースの内張に紙箱がひっついて、難儀したものです)。
 
 講師に行っている大学で、見せてもらうことにしましょ。
posted by nori at 18:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理アセスメント
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