つい先日のことですが、箱庭療法学会が主催する研修会がありました。「セラピストとして箱庭を使う前に、まず自分で箱庭を作ってみよう」という目的で、私は制作グループの講師の役割が与えられていました。会場になっている大学の教室に着いたら、机と椅子が授業スタイルで並んでいるし、砂箱もアイテムの棚も設置されていなくて、私が学生さんに指示をして会場の設営から始めました。
制作グループはもうひとつあって、そちらは女性のNさんが講師でした。彼女の部屋をのぞいてみると、部屋のしつらえ方がまるで違っていて、面白いと思いました。砂箱を置く位置や、アイテムの並べ方、記録者や観察者の席をどこにするか、ブラインドを下げるかどうかなど。少し誇張して表現すると、私の部屋は劇場風で砂箱が舞台のようになっていたし、彼女の部屋はアトリエ風で砂箱がキャンバスのようになっていました。Nさんは私よりも箱庭療法に造詣が深く、尊敬している先輩だけあって、さすがです。彼女の部屋の方が、制作者が自分のイメージに入り込んでいきやすいでしょう。私はグループ体験と言うか、箱庭を見せたり見たりすることに重きを置いていたので、サイコドラマ風になっていたようです。
砂箱は二つあって、中には白い砂が入っていました。見た目はそれほど違わないのですが、ひとつはきめが細かくサラサラしていて、もうひとつは少し粗くてザラザラしていました。珊瑚から作られた砂や、セラミックから人工的に作られた砂が販売されているようなので、その手のものだと思います。きれいではあるけれど、他人行儀と言うか、心になじまないと言うか。私の相談室で使っているのは、大きな声では言えませんが、とある砂浜からいただいてきたものです。もう少し茶色の砂だと良いのだけれどと思いつつ、もう十年以上も使っています。どこかに、良い砂はないでしょうか?
それにしても箱庭の制作を見守るというのは、大変なエネルギーを使います。二人が同時進行で作るのを3回やったら、もうへとへとになりました。帰りに車を運転しながら、久しぶりに自分も作ってみようかなと思いました。何しろ家にはマイ箱庭があるわけですし。……でもどうせなら、セラピストをレンタルしてもらいたです。
2010年11月01日
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