これは、なかなかにすごいタイトルかもしれません。2月7日のNHK「クローズアップ現代」で、認知行動療法が取り上げられました。イギリスでは認知行動療法がうつへの心理療法のスタンダードになっていて、健康保険も適用されているのですが、日本もいずれそうなっていくのでしょうか?
認知行動療法は心理療法の世界ではいわば新興勢力なのですが、実証的な研究をアピールすることで勢力拡大に成功してきたようです。あるいはイギリスは精神分析と行動療法がぶつかってきた歴史があったので、両派の相互乗り入れ地帯として機能してきたのかもしれません。患者さんにしてみても「何でも転移」の精神分析でもなく、「心を扱わない」行動療法でもなく、心の働きと行動の仕方を分かりやすく指南してくれる認知行動療法は受け入れやすいでしょう。
私自身は、うつ状態の人には臨床動作法が非常に効果が高いと感じています。ほとんどの人が眠れなくなるし、肩や首がこったり頭が痛くなる人も多いのですが、リラクセーション課題に取り組むことでこれらの症状が軽快したり元気が出てきます。いかんせん私個人では時間も能力も足りないので研究成果を出せませんが、臨床動作法もこれから注目されていくと思います。
「心理療法はその勃興期に治療成果がもっとも上がる」と書いている人がいましたが、そうかもしれません。私は心理療法とはきわめて個人的な営みだと考えますが、それがパッケージ化、ブランド化、マニュアル化されていいくとともに、本質からかけ離れていくのでしょう。
2011年02月22日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/43537023
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
http://blog.sakura.ne.jp/tb/43537023
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック