沿岸部の方から、毎週通ってきてくださっていたクライエントがいました。震災後は音信不通になって、何度もネットのパーソンファインダーで検索したのですが、情報は得られませんでした。三陸の中でも特に津波の被害がひどい地域だったので、おそらくは……と思っていました。せっかく良くなって来ていたのに……と、やりきれない気持で一杯でした。
ところが、ほんのつい先日のこと、ご本人から電話をもらいました。携帯を持たない人だったのですが、やっと固定電話が復旧したそうです。それも回線が不安定なので、ゆっくりお話もできなかったのですが、とにかく家は流されずに不便ながらも生活をしてこられたようです。避難所に行かなかったので、パーソンファインダーにかからなかったのですね。
彼の場合はどうだったか、まだ話を聞いていません。でも家を流されなかった人は、食べ物や物資がなくなっても、遠慮して避難所に行けなかった人もいるそうです。みんな被災者ではあるのですが、「失った人」と「失わなかった人」の間に、溝ができてしまった地域もあるようです。マスコミは「復興に向かっている姿」を好んで取り上げますが、日々をやり過ごすことだけで精一杯の人たちが圧倒的に多いのが現実ではないでしょうか。
それでも、ともかく、何があったにしても。「生きてて良かった」です。
2011年05月16日
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