2011年08月11日

コクリコ坂から

 いま公開中の、ジブリ作品です。この映画を観た若い人たちは、どう感じるんだろう? 登場人物たちの生き方や、ふるまいに共感をおぼえるのだろうか? そんなことを思ってしまいました。たとえば主人公と同じ高校生は、どんな感想をもつのか、興味があります。

 たとえば北杜夫の「どくとるマンボウ青春記」には、旧制高校の寮を舞台にした、奇人変人?たちとの熱い関わりが描かれています。ムツゴロウさんにも、同じような著作があったように記憶しています。青年期らしい悩みをもつことが是とされ、大して悩んでいなくても悩んだフリでもしないとカッコがつかない、そんな青春時代です。分ろうが分るまいが、とにかく哲学書を読むのです。それは衒学趣味とも言えるし、教養主義とも言えるのだけど、そんなことにこだわっているのを、堂々と表に出していたように思います。

 「いまの人」とひとくくりにして語ってしまうのが、自分がジジイになった証拠なんでしょうけど。ともかく「いまの人」は、コムズカシイことを考えたり、人との関係に悩んでいることを、表に出そうとしないように見えます。人前ではちょっとおちゃらけて、明るく振る舞うのが良いようですね。「むかし哲学、いまお笑い」とまで言ったら、言い過ぎでしょうか。カッコつけて哲学書を読むのが良いとも思わないけれど、悩みなんかないように振る舞うこともないだろうとも思うのです。
posted by nori at 00:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画に見るこころ
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