昨日は Tokyo Jazz 2011 というイベントがあって、FM放送で実況中継されていました。日野皓正さんと言えば日本を代表するトランペッターですが、彼がピアノの佐藤允彦さんや「カリスマDJ」のdj hondaさんなど、多彩なメンバーで登場しました。MCで日野さんは「よろしくお願いします」と言うし、自己紹介した(させられた?)メンバーのほとんどが、やはり「よろしくお願いします」というフレーズを織り込むのですね。大舞台で先鋭的な音楽を演奏する人たち、「大御所」や「カリスマ」や「若手ナンバー1」が一様に「よろしくお願いします」と言うのが、何だか可愛いらしいというか、日本人だなあと思いました。
私の仕事でも、グループ活動や研修会などで順番に自己紹介をする場面になると、やはり皆さんもれなく「よろしくお願いします」とおっしゃいます。名前に続いて「よろしくお願いします」を言ってから、身の上を話して、さらに「よろしくお願いします」でしめる人もけっこういらっしゃいます。私は限られた時間なのだから、この「よろしくお願いします」をやめたら全体で何分の時間が節約できるんだろう……などとも考えてしまうのです。そして「よろしくお願いします禁止令」でも出したら、皆さんとてもしゃべりにくくなって面白いだろうなどと、不謹慎な想像もしてしまうのです。
よくよく考えてみれば、「よろしくお願いします」と言っても、何をどうすれば「よろしく」なのか指定されていません。無意味語と言っても良いのです。おそらく英訳は、不可能なのではないでしょうか。実に日本的な言葉だと思います。「よろしくお願いします」は、どうすれば相手の期待に沿うことができるのか、それを暗黙のうちに了解し合って場を和やかにするということなのでしょうか。悪く言えばなれ合いですし、下手に出る卑屈さというものも見え隠れします。良くも悪くも、日本人のメンタリティを表す言葉かもしれません。
私も自己紹介をする時には、かなりの確率で言っているような気がします。日本人ですから。
2011年09月05日
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