2012年01月30日

心療皮膚科の可能性

私たちは「皮膚」と「心」のつながりについて、あまり意識をせずに生活をしています。皮膚は表面ですぐに触れることができますが、心は内面で見ることも触れることもできません。どちらかと言えば、対極にあるような感じがします。でもストレスが重なってくると化粧がのらなくなったり、湿疹がひどくなったり、円形脱毛症が始まったりします。帯状疱疹は常在のヘルペスウィルスですが、ストレスで症状が始まります。

皮膚病にかかると、私たちはストレスを感じます。皮膚病は命に関わるものは少ないのですが、かゆみを伴うものが多く、慢性に経過します。かゆみは痛みよりは軽く扱われがちですが、しかし猛烈なかゆみに襲われるのは、居ても立ってもいられないほど辛いものです。また顔など人目に触れる部分にできてしまうと、気になってしまいます。あるいは「うつる病気かもしれない」と、白い目で見られることもあるでしょう。しかし周りの人は「本物の病気ではない」ようにとらえがちで、こうした皮膚病の辛さにはあまり共感してくれません。

皮膚病にはストレスから症状が出て、症状がストレスになるという、悪循環の側面があります。このような病態には心理面からアプローチすることで、皮膚の症状を軽くできる余地は十分にあると言えるでしょう。まだまだ日本では主流の考え方ではありませんが、私が勤務した星の丘クリニックは、いち早く実践していたと言えます。
posted by nori at 20:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 心療皮膚科
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