掌蹠膿疱症と書いて、「しょうせきのうほうしょう」と読みます。皮膚科の病名には、なぜか難しい漢字のものが多いです。酒皶(しゅさ)など、私が皮膚科で働いていた時には、パソコンに入っていなかったと思います。ちょっと調べたら、この「皶」はJISの第3水準なんですね。昔は第2水準までしかなかったのが、第3水準までできたようです。
さて掌蹠膿疱症は、手のひらと足の裏に無数の水ぶくれができて、なかなか治りにくい病気です。原因も不明です。患者の8割が喫煙者と言われていますが、禁煙すれば治るというわけでもないらしいです。ビオチンというビタミンの一種の内服が有効ですが、でも特効薬的に治るというわけでもありません。症状がひどくなれば仕事にも差し支えるし、かゆみもあるので辛いと思います。私が勤めていたクリニックでも、ビオチンセットの他にもぬり薬や紫外線療法、漢方薬など、さまざまな治療法を試しながら院長も患者さんも苦労していたようです。
さて「原因が不明」で「治りにくい」のは、何も掌蹠膿疱症だけに限ったことではなくて、皮膚病にはありふれた現象です。ストレスが引き金になって皮膚病になり、その皮膚病がまたストレスになって……という悪循環に陥ることもあります。
この前は手を包帯でぐるぐる巻きにした方に、お会いしました。「職場を異動になるまでは何ともなかったのに、異動になったら……」軽いうつ状態になられたようです。その後にブツブツが沢山出てきて、皮膚科に行ったら掌蹠膿疱症と診断されたそうです。他に生活上の変化はなかったので、異動に伴うストレスが発症の引き金になったと考えるのが自然です。ただストレスがそこまで悪さをするとは、あまり考えが及ばないのが普通なのかも知れません。
2012年03月23日
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