毎日のように、大津市のいじめ自殺事件について報道されています。陰惨ないじめの実態、いじめを知りながら有効な手を打たなかった教員、責任回避の発言に終始する校長、一貫性なく思いつきで動く教育長と市長、被害届を三回にわたって受理しなかった警察……。
とくに警察が強制捜査に入ったことは、教育関係者にとって衝撃だったのではないでしょうか。うがった見方をすれば、「学校が悪い」ことにして、被害届の不受理を正当化しようとする動きなのかもしれません。しかし犯罪の域に達している事件が起きているのであれば、警察が捜査に入るのはむしろ当たり前のことだと考えます。
報道されているようないじめが、もし学校以外の場所で、他校の生徒によって行なわれたのであれば、警察はすぐに被害届を受理して捜査にとりかかたのではないでしょうか。でも校内で起きたこととなると、「子どもどうしの悪ふざけだろう」と甘く見てしまう、そんな背景があるのではないでしょうか。
警察がすぐに学校の中に入ってこないのは、「学校では先生たちが生徒をしっかり管理しているから、そこいらの道ばたよりも安全な場所である」との思いこみが、学校にも警察にもあるからではないでしょうか。しかし実際は「そこいらの道ばた」よりもはるかに危険な場所であって、犯罪が「ふざけ」や「けんか」として片づけられていたのです。
校長が「けんかと思っていた」と発言しているのは、どう見てもおかしいです。そんな子どもじみた言い訳をしてしまうのは、正常な判断力をもっているとは思えません。もともとそんな人だったら、とても教員や、まして校長まで務まるとは考えにくいです。事件のショックで茫然自失の状態になっていると考えた方が、妥当ではないでしょうか。変なことを言えばバッシングにさらされるし、生徒や保護者たちの心も離れて行って、どんどん悪い方に向かって行きそうです。
これから生徒たちに、アンケートや事情聴取が行なわれるので、スクールカウンセラーが2名、「心のケア」のために、緊急派遣されることになったそうです。もし派遣するのなら、調査をした後のケアに当たるよりも、調査の仕方を助言できるような人を派遣して、配慮の行き届いた調査にするべきでしょう。そもそもPTSDの可能性はない事件なので、「スクールカウンセラーに心のケアにあたらせる」のは、どうも腑に落ちない感じです。
でも私としてはそんなことよりも、学校がとても混乱して、無政府状態になっているのではないかと案じています。校長は判断ができないだろうし、亡くなった生徒の担任もとても授業をするどころではないのではと思います。今年の3月に転出したばかりで学校の事情がよく分っている人が望ましいですが、ともかく教員を何人か緊急派遣して、学校本来の教育活動が行なわれるように配慮するのが良いと思います。生徒にも教員にも、この事件の二次被害が広がっていくことがないように。
2012年07月17日
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