エルトン・ジョンは御年66歳、サーの称号をもつシンガー・ソング・ライターであり、ピアニストです。バイ・セクシャルとしても知られています。70年代はド派手な衣装とメガネがトレードマークのロックンローラーでした。そしてこれは1970年にリリースされた、彼の2枚目のアルバムです。「僕の歌は君の歌」が大ヒットした出世作ですが、内省的で感傷的な曲が多く、ポール・バックマスターによる重厚なオーケストレーションもあって、風格の漂う音作りです。今ではこんな贅沢な録音は、あり得ないのかもしれません。

エルトン・ジョンは本名ではなく、ソフトマシーンのサックス奏者エルトン・ディーンと、ブルースシンガーで俳優でもあったロング・ジョン・ボールドリーからもらった芸名です。ソロデビューする前はヒット曲のカバーを吹き込みながら、キング・クリムゾンのオーディションも受けていたとか。ロバート・フリップのお眼鏡にかなわなかったおかげで、その後の活躍があるのでしょうが、プログレっぽい音楽性はその後のアルバムでも見え隠れすることになります。