じんましんを「蕁麻疹」と書ける人は、ちょっといないかもしれませんね。なぜか知りませんが、皮膚病というのは、難しい漢字が多いです。蕁麻とはイラクサのことで、これに触れるとかゆくなることから、蕁麻疹の名前がついたそうです。ウィキペディアを見たら、こんなニッチな情報が載っていました。
さて皮膚科で働いていた時に、このじんましんの患者さんにお会いしたことがあります。たしか50代の女性だったかと思いますが、かゆみがひどくて、血が出るまですねを掻きむしってしまうとのことでした。カウンセリングはご本人が希望されたわけではなく、皮膚科の医師(院長)から勧められたのでした。
ご本人にしてみればとにかくかゆいし、掻いてしまって、それで困っているわけです。「カウンセリングを受けましょう」と言われて、相談室に入ってこられたまでは良かったのですが、戸惑っておられました。私もちょっと困ってしまいました。はて、じんましんの人にカウンセリングとは? 「あそこの蕎麦屋に行けと言われたので来てみたのですが、ちっともお腹も減っていないし、酒を飲みたいわけでもないんです」と言われた、蕎麦屋のようなものかもしれません。
とにかくいまどんな暮らしをしていらっしゃるのか、そんなところから話を聴いたような記憶があります。あれこれ聴いていって、そしてためらいがちに話し始めたのが、息子さんのことでした。就職をしたら職場でパワハラに遭って、ずいぶんつらい思いをされていたそうです。頑張って続けてみたのですが、とても耐えられなくて、退職されたそうです。この方の怒りや悔しさ、息子さんを思う気持が見えて来ました。
1週間後にお会いしたら、「ウソみたいにかゆみがなくなって、掻かなくて良くなりました」とおっしゃいます。結局、2〜3回のカウンセリングで頑固なじんましんがきれいに良くなってしまいました。こんなことも、あるのですね。ストレス性のじんましんと思われる方は、カウンセリングを受けてみられるのも良いかもしれません。サバに当たった人は、ダメですよ。
2014年04月30日
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