ひところは軽くてパワーのある2サイクルエンジンを積んで、ブンブン走り回るスクーターが多かったと思います。車を運転していても、危なっかしく感じることがありました。でもいまは4サイクルのおとなしいエンジンで、排ガスも臭くはないし、おとなしく走っている人が多いですね。
ところが50ccのスクーターが、製造中止になるそうです。排ガス規制が厳しくなって、それをクリアするコストが販売価格の安い50ccでは吸収できないということらしいです。バイクは車に比べて販売台数が少ないのに、ヨーロッパの環境基準を右にならえで導入するのがどうにも理解できません。燃費が10km/lの車を売ることができて、50km/l以上走る原付を売ることができないのが不思議です。そもそもが自転車に小さなエンジンをつけただけの昔の「オートバイ自転車」の枠で、リミッターを解除すれば車と同じ速さで走れる今のスクーターを扱ってきたのです。車体の性能向上やユーザーの利益は無視し続けながら、環境基準となると盲目的に外国に合わせるのが日本の役人の流儀なのでしょうかね。
数キロ以上の移動をするには、50ccバイクはもっとも小さな乗り物です。言ってみれば「起きて半畳寝て一畳」の境地です。紅葉が素晴らしい栗駒山は、シーズンになると駐車場すぐに満杯になってしまいます。50ccの「トゥデイ」に乗って出かけたのですが、トコトコと天上の紅葉をながめながら走るのは楽しかったし、よくこんな小さなエンジンでここまで連れてきてくれたなあと思いました。私も置き場所があれば欲しかったホンダのモンキーの最終バージョンには、申し込みが殺到したのではないかと思います。その他のスクーターも手に入れるなら、今のうちということになるのでしょう。
