9月21日は、中学校が新人戦の代休でお休みでした。当然のことながらスクールカウンセラーもお休みで、一関地区の養護教諭の皆さんを対象にした研修会で、講師を務めさせていただきました。震災の影響でケアを必要とする子どもたちが増えていることもありますが、そもそも養護教諭は「身体から入って行きやすい」のです。「頭が痛い」とか「体温を測らせて下さい」と言ってくる子どもたちに、「悩みがあるのだったら話してごらん」と言っても、「別に悩みなんかありません」と言うかもしれません。でも「ちょっと、肩の力を抜いてみようか」だったら、関わっていくことができます。
講義が1時間で実習に4時間と、5時間の長丁場でしたが、本当にあっという間でした。まずは自分の身体にじっくりと注意を向けることから始めて、椅子坐位での課題を中心に進めていきました。当日は台風のおかげで部分的に停電したり、体育館のドームが雨音でうるさかったりとハプニングもありましたが、60名ほどの参加者の方々が楽しみながら取り組んでいたので、呼んで下さった先生がとても喜んでくださいました。私は「明日から使えることを、教えてもらった」との感想をいただいて、やはり動作法をもっと広めていきたいと思いました。
2011年09月24日
2011年01月21日
ひきこもりの心理と理解 −家族の支援を考える
このタイトルで、1月12日に宮古市で講演をしてきました。呼んで下さったのは、宮古保健所さんです。厳寒のなか保健、福祉、教育関係の方々がおいでになりました。
・ひきこもりは「特別な人に起こる、特別な現象」ではないこと
・本人を動かそうと手を打つよりも、こじらせない努力が大切なこと
・家族の支援は助言よりも、傾聴すること
・自助グループの育成に力を貸していただきたいこと
まあざっと、こんな内容でお話をさせていただきました。
ところで宮古は三陸海岸にあって、私の住んでいる町からはほぼ120kmあります。盛岡方面から車で行くとなると、標高で700メートルほどの区界(くざかい)高原がいちばんの難所で、冬は凍りつくので有名なのであります。当日はマイナス10度くらいまで冷えていたし、猛吹雪で道がよく見えない時もありました。私の実家の方では、こういうのを「目口あかない」と言います。
でもその中でも、やってるんですね、道路工事。片側交互通行なのですが、そこをブルドーザーで除雪をしていたので、20分ほど足止めをくらいました。この時期はあちこちで、道路工事ばっかりです。いわゆる予算執行の時期なんでしょうが、夏場に工事できないもんでしょうか。工事する人は大変だし、施工しても乾きにくいとか、日が短いので照明のコストがかさむとか、余計にお金もかかるんような気もします。冬に工事も除雪もじゃなくて、夏には工事で冬には除雪の方が良いと思うんだけど。
他人のことや世の中のことを考えずに、自分の都合ばかり考えている人が多いからこんなことも起きるんだろうし、そんな世知辛さがひきこもりを増やしているんじゃないかな。……そんなことをつらつら考えながら、足止めの20分を待っていました。
・ひきこもりは「特別な人に起こる、特別な現象」ではないこと
・本人を動かそうと手を打つよりも、こじらせない努力が大切なこと
・家族の支援は助言よりも、傾聴すること
・自助グループの育成に力を貸していただきたいこと
まあざっと、こんな内容でお話をさせていただきました。
ところで宮古は三陸海岸にあって、私の住んでいる町からはほぼ120kmあります。盛岡方面から車で行くとなると、標高で700メートルほどの区界(くざかい)高原がいちばんの難所で、冬は凍りつくので有名なのであります。当日はマイナス10度くらいまで冷えていたし、猛吹雪で道がよく見えない時もありました。私の実家の方では、こういうのを「目口あかない」と言います。
でもその中でも、やってるんですね、道路工事。片側交互通行なのですが、そこをブルドーザーで除雪をしていたので、20分ほど足止めをくらいました。この時期はあちこちで、道路工事ばっかりです。いわゆる予算執行の時期なんでしょうが、夏場に工事できないもんでしょうか。工事する人は大変だし、施工しても乾きにくいとか、日が短いので照明のコストがかさむとか、余計にお金もかかるんような気もします。冬に工事も除雪もじゃなくて、夏には工事で冬には除雪の方が良いと思うんだけど。
他人のことや世の中のことを考えずに、自分の都合ばかり考えている人が多いからこんなことも起きるんだろうし、そんな世知辛さがひきこもりを増やしているんじゃないかな。……そんなことをつらつら考えながら、足止めの20分を待っていました。
2010年12月14日
盛岡精神分析セミナー
お知らせです。
2011年1月22日(土)の10:00〜16:00に、岩手県立大学アイーナキャンパス(盛岡駅前)で「盛岡精神分析セミナー」を企画しています。講師は天理大学教授の、館直彦(たち なおひこ)先生です。館先生は精神科医として臨床にあたってこられ、D.W.ウィニコットやC.ボラスにご造詣が深い先生です。
精神医学と臨床心理学の臨床家(学生を含む)を対象にしており、午前中の講義と午後のケース検討を通して、力動的な理解を深めていただけるものと思います。参加費は5,000円(学生3,000円)です。興味のある方は、メールをいただければ案内書・申し込み書をお送りします。
2011年1月22日(土)の10:00〜16:00に、岩手県立大学アイーナキャンパス(盛岡駅前)で「盛岡精神分析セミナー」を企画しています。講師は天理大学教授の、館直彦(たち なおひこ)先生です。館先生は精神科医として臨床にあたってこられ、D.W.ウィニコットやC.ボラスにご造詣が深い先生です。
精神医学と臨床心理学の臨床家(学生を含む)を対象にしており、午前中の講義と午後のケース検討を通して、力動的な理解を深めていただけるものと思います。参加費は5,000円(学生3,000円)です。興味のある方は、メールをいただければ案内書・申し込み書をお送りします。
2009年07月28日
子どもの心とお母さんの心
今日はNPO法人「いわて子育てネット」に招いていただいて、「子どもの心とお母さんの心」と題した講演をしました。私には乳幼児期の臨床経験がほとんどないので、どこまでつとまるかなと思いつつ、ウィニコットの発達理論を中心にお話ししました。同業の方には言わずもがなですが、ウィニコットは英国の小児科医であり、精神分析家であった人です。「1896年生まれ」をネットで検索してみたら、宮沢賢治と同い年だったのですね。
子育てに必要なのは技術や知識ではなく、子どもの欲求に応えることに徐々に失敗していく「ほど良いお母さん」であること。子どもに攻撃性を向けられても、報復しないで「お母さん」として生き残ることで、子どもが安心して対象を使えるようになること。健康な子どもは、現実と空想の中間領域で遊べること。……などなど、ウィニコットは子どもの自発性を侵害しない、ありきたりの子育てが情緒の発達を促すことを説いています。そしてその母親もまた、周囲からの環境に支えられることで、初めて「ほど良いお母さん」として機能できるだと思います。
後半は受講したお母さんたちと話し合いをしたのですが、「子どもが迷惑をかけるからと思って、平日で空いているフードコートで食事をしていたのに、うるさいって怒鳴られた」とか、「バスに乗って子どもが泣いていると、迷惑がられる」といった体験談が出ました。子どもは泣いたり騒いだりするものだし、それをとやかく言うのはどうかと思うのですが、世の中はそうは思わない人もいるようです。子どもは希望です。お母さんだけに任せないで、地域で大切に育んでいくことができたら、少子化の傾向も少しは変わっていくかもしれません。
子育てに必要なのは技術や知識ではなく、子どもの欲求に応えることに徐々に失敗していく「ほど良いお母さん」であること。子どもに攻撃性を向けられても、報復しないで「お母さん」として生き残ることで、子どもが安心して対象を使えるようになること。健康な子どもは、現実と空想の中間領域で遊べること。……などなど、ウィニコットは子どもの自発性を侵害しない、ありきたりの子育てが情緒の発達を促すことを説いています。そしてその母親もまた、周囲からの環境に支えられることで、初めて「ほど良いお母さん」として機能できるだと思います。
後半は受講したお母さんたちと話し合いをしたのですが、「子どもが迷惑をかけるからと思って、平日で空いているフードコートで食事をしていたのに、うるさいって怒鳴られた」とか、「バスに乗って子どもが泣いていると、迷惑がられる」といった体験談が出ました。子どもは泣いたり騒いだりするものだし、それをとやかく言うのはどうかと思うのですが、世の中はそうは思わない人もいるようです。子どもは希望です。お母さんだけに任せないで、地域で大切に育んでいくことができたら、少子化の傾向も少しは変わっていくかもしれません。
2009年02月21日
奥州市 メンタルヘルス講習会
2月3日と20日に、職員の方々を対象にしたメンタルヘルス講習会があり、講師をつとめました。一般向けにはセルフ・ケアを、管理職向けにはライン・ケアを中心にしたのですが、リラックス法の実習となると、やっぱり盛り上がります。「肩が軽くなった!」と、顔の輝きが違って来ます。こころに関する講習会はやはり「体験をする」のと、「楽しい」のが良いと思います。かりかりメモして「あ〜肩がこった」では、広まっていかないですから。どういうわけか両日ともズドンと雪に見舞われましたが、参加してくださったみなさん、お疲れさまでした。