岩手県は四国と同じ広さがあると言われていますが、久慈市は北部の沿岸にあって、ほとんど行く機会がありません。車で出かけるとなると、高速道路を使っても片道で2時間はかかります。琥珀をが名品として知られていて、音楽ホールも「アンバーホール」の名前がついています。
12月14日に茂木大輔さんの指揮、仙台フィルハーモニー管弦楽団、4人のソリスト、地元の声楽家、市民合唱団の人たちによってベートーヴェンの交響曲第9番が演奏されました。それに先立って演奏された「ウェリントンの勝利」(戦争交響曲)ではバンダ(ステージ外での演奏隊)では、中学生を含む地元の人たちも器楽で参加しました。
当日は降雪に見舞われて、前売り券を買っていなかったら、あきらめたかもしれません。プロの指揮者、ソリスト、オーケストラを迎えてのコンサートでS席で3000円というのは破格で、久慈市が市制20周年記念で開催したからできたことでしょう。私は日曜日にやってくれる演奏会がなかなかないので、とにかくありがたかったです。指揮者の茂木さんは長らくN響でオーボエを吹いていた方で、エッセイを読んで興味を持っていました。
楽章の間で拍手が起きたりするので、客席にはふだんクラシック音楽を聴いていない人たちも多かったと思います。出演者の家族とか、応援で来ている人もいたことでしょう。それが身内で固めたような感じではなくて、アットホームな雰囲気になっていたのがとても良かったと思います。プレトークでは茂木さんの作品にかける思いが伝わって来たし、何キロか痩せるんじゃないかと思うくらいの指揮ぶりでした。
わたしはオーケストラやソリストの演奏をどうこう言えるほど、クラシック音楽には詳しくありません。何年も訓練を重ねて、狭き門をくぐって来た人たちなので、素晴らしいに決まっているとしか思えません。ただ録音で聴くと合唱が弱いと感じる演奏もあるのですが、当日はプロのオーケストラやソリストに負けない合唱隊が圧倒的でした。
「第九」は年末の恒例行事になっている感がありますが、平和の尊さを歌い上げることに意味があると思います。それを作曲者のベートーヴェンと、指揮者、オーケストラ、ソリスト、合唱隊、聴衆と、全員で共有できる一体感はコンサートでないと味わえません。みなさん、ありがとうございました。
