
先日に散歩をしていたら、よそのお宅の庭で福寿草が咲いていました。春一番に咲く花とされていますが、岩手では3月の半ばにならないと咲かないようです。今年は暖冬で雪が極端に少なかったのですが、今日は起きてみたらまた雪がちらついています。雪景色も風情があって良いのですが、散歩に出ようと言う気が失せてしまいます。というか、雪にかこつけてサボッているのですが……。
今日は春分の日で祝日なので、ふだんできない書類の整理をすることにしました。いやその前にあそこに出す書類を作るとか、ちょっと気になっていたことをネットで調べようとか、いまこうしてブログを書いていたりして、あれやこれやでもう午後の4時になろうとしています。相談室ではしまい込んでいた、リー・コニッツ(1927〜2020)の「サブコンシャス・リー」が流れています。コニッツはジャズのアルトサックス奏者ですが、一般受けはしないけれども創造的な演奏を生涯にわたって貫いた人で、コロナによる肺炎で亡くなりました。玄人受けはするけれども……というやつで、私も若いうちはこの<クール>な演奏には、あんまり興味がありませんでした。
表題曲の「サブコンシャス・リー」は、「無意識に」の「subconciously」とファーストネームの「Lee」をつなげた言葉遊びで、何ともしゃれています。スタンダードナンバーの「恋とは何でしょう」のコード進行に、無機質な旋律を乗っけたところが「無意識」っぽい味をだしています。

1949年と1950年の録音は、自分が生まれる前のことです。当時のコニッツは大学を出たばかりの年齢ですが、いまもって鑑賞に耐える演奏をしています。のっぺりとした中に、スリルがあるのは面白いと思うのです。20代、30代のころには「古めかしくて退屈」だったけど、今日はなんと瑞々しい表現だろうと感じました。雪で閉じこもったおかげで、ちょっと得した気分です。